学校における法律トラブルQ&A③

Q 素行不良で過去に謹慎、停学処分を受けた高1の息子がまた問題を起こし、学校から退学にすると言われています。退学だけは避けたいのですが、このような場合、親として学校とどう交渉すれば良いでしょうか。

 

A 前回の事例と似ていますが、今度は生徒側が問題を起こしたのは間違いないようであり、過去にも問題を起こしていて重い処分は避けられそうにありません。そのような状況でも、何とか退学処分だけは回避したいところです。

前回の事例でも紹介したとおり、退学処分というのは生徒に対する最も重い処分ですから、慎重に判断されなければなりません。今後学校側が指導を行っても改善される見込みがないと判断される場合に初めて退学処分を行うことが許されます。つまり、退学処分をどうしても避けたい生徒・保護者側からすれば、改善される見込みがあるという状況を作ることが重要となります。

交渉では、何をすれば学校側が納得するか、生徒の素行不良が改善したと判断するのか、学校側は何を求めているのかを確認することに重点を置くべきです。他の生徒とトラブルを起こしてしまったのであれば、その生徒と保護者への謝罪等も必要です。学校としても、うちの子に手を上げた生徒に対し、なぜ学校は厳しい処分をしないのか、と言われてしまえば厳しい処分を撤回する訳にはいかないからです。授業態度に問題があり、学力的にもついていけていないのであれば、当該授業の先生に謝罪の上、授業態度を改善することはもちろん、積極的に補習課題を求める等して、目に見える形で改善しましょう。家庭での指導に問題があると指摘を受けているケースであれば、家庭での指導を定期的に書面等で学校に報告するようにしましょう。事案毎にやるべきことは違いますが、出来る限りのことを目に見える形で行いましょう(当事務所にご相談いただいた場合には、事案毎にするべきことを検討・示唆させていただきます)。

素行不良の改善がはっきりとうかがえる場合、そして改善状況が形に残る資料から判断できる場合、学校側はそれでもなお退学させるとの判断を下すことが難しくなります。私が学校側から法律相談を受ける場合でも、形に残る資料を見せられれば、退学処分を下すのは危険である(訴訟を起こされれば学校側が敗訴する可能性が高いこと、また、敗訴を免れたとしても訴訟になってしまうこと自体が学校の信用を失墜させ、入学希望者減等につながるため)との判断をする他なくなります。

本事例のように、とにかく退学処分を避けたいというケースでは、学校側の処分の重さが不当であるとして争うのではなく、まずはこのように形に残るようにして素行不良の改善を示すことを大きな目標とし、その目標のために交渉を行い、行動していっていただければと思います。

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