学校における法律トラブルQ&A②

Q 高校2年の子が同級生に暴力を振ってしまい、学校から退学処分にすると通告されています。本人も親も、何とか退学だけは避けたいと思っているのですがどうすれば良いでしょうか?

 

A 学校側が処分をする前に弁護士を入れて学校と交渉すべきです。

まず、交渉にあたっては事実関係を整理しましょう。暴力行為は事実なのか、暴力の態様や程度はどうなのか、暴力の原因は何だったのか、暴力は日常的だったのか、暴力を振るわれた同級生はどう思っているのか、こういった事実を丁寧に、正確に把握することが重要です。学校問題の場合、実際の行為者は生徒であるのに対し、交渉を行うのは保護者であるため、学校側と保護者側が確認・認識している事実に齟齬があることが多く、そのために交渉が上手くいかないというケースがしばしば見られます。学校側と交渉を行うための大前提といえます。

事実関係の整理の次は、事実に争いがあるのであれば、事実を争います。学校側に多方面への事実調査の依頼をするなどして、交渉の中で真相解明に努めます。

事実に概ね争いがない場合には、処分の重さを争います。今回の暴力が本当に退学処分に値するものなのかどうかを考えるということになります。退学処分というのは生徒に対する最も重い処分ですから、慎重に判断されなければなりません。生徒の素行に問題があったとしてもそれだけで退学処分とできる訳ではなく、今後指導を行っても改善される見込みがないと判断される場合に初めて退学処分を行うことが許されるのです(このような判断を行った裁判例があります)。

したがって、学校側との交渉の中では、生徒が今回の行為を真摯に反省していること、保護者のこれまでの指導不足を認めた上で今後は十分な指導を行うことを約束することなどを伝え、学校側が、生徒に対し改善見込みがないと判断しにくくさせることが重要になります(生徒・保護者側も感情的になってしまっているケースでは、学校の処分の不当性にばかり目が行ってしまい、これができていないことが多いのです。)。また、交渉は一度だけでなく、担任、学年主任、副校長、校長など多くの先生と話す機会をもらい、粘り強く行い、学校側が改善見込みにつき十分な検討ができる状態にしましょう。

退学処分の場合、処分を受けてから事後的に裁判等で処分の無効を争うのは厳しいので(裁判には時間がかかるので、それまで生徒の立場が不安定になってしまい、他の同級生と同じように学校生活を送ることは難しくなってしまいます)、処分を受ける前に早期に弁護士に依頼し、交渉を開始することも重要です。

 

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