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テレビ業界の労務管理⑦(タレントの移籍禁止条項)

芸能プロダクションとタレントの契約では、会社を辞める場合には一定期間タレント活動を禁止するという条項が設けられていることがあります。実質的に移籍を禁止するような条項です。

このような条項を設けることは一律に許されないという訳ではありませんが、職業選択の自由という憲法上の権利を制約するものであるため、許されない、条項は無効となる可能性が高いでしょう(裁判例でも条項を無効としたものがあります)。したがって、移籍を希望するタレントの方々は、上記のような条項を含む契約を交わしてしまった場合でも、そのような条項には拘束されないはずです。

しかし、ここからが問題です。法的には上記のような解釈になるとしても、退社を巡って事務所と揉めてしまった場合、移籍先は見つかるのでしょうか。芸能界、テレビ業界は本当に狭い世界なので、大手プロダクションと揉めてしまった場合には、他のプロダクションは受け入れにくいですし、番組、テレビ局も使いづらいというのが実情です。そうなると、契約条項の法的問題は解決できたとしても、業界の暗黙のルールのようなものを乗り越えられずに移籍ができないということになってしまいます。

この問題は、テレビ業界、芸能界の体質によるものなので完全に解決を図るのは難しいですが、例えば退社時に弁護士を入れる場合などでは、単純に移籍を認めさせるということにとどまらず、その後の不利益な取り扱いをされないというところまで含めてプロダクションと協議し、円満な解決を目指すことが重要になってきます。

 

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