テレビ業界の労務管理④(芸能プロダクション)

SMAP解散ジャニーズ事務所の問題(真偽は不明ですが事務所移籍の問題)、先日の清水富美加の出家騒動など、テレビの世界は番組制作の現場だけでなく芸能プロダクションも多くの労務管理上の問題点を抱えているようです。これだけ頻繁にプロダクションとタレント等の問題が報じられると皆が関心を持つので、今後プロダクションの労務問題はさらに頻繁に起こるのではないかと予想されます。

 おそらくほとんどの事務所では、タレントとの契約は雇用契約ではなく業務委託契約などの形をとっており、雇っているのではなく1人の個人事業者として扱っているのではないかと考えられます(そうでなければ散々働かせて月給数万円というのでは最低賃金を下回り違法となってしまいます)。しかし、このように業務委託契約の形態をとっている場合でも、働き方の実態が一般的な労働者と変わらない場合には、雇用契約をしていなくてもそのタレントは「労働者」として扱われます(実際に昨年厚生労働省労働基準局が同旨の文書を各種芸能関係の団体に送付しています)。そうすると、清水富美加が実際にどうであったかは分かりませんが、仕事を選べない若手の芸人、モデル、アイドルなどは、事務所の指揮命令に従って仕事をしていますので、多くのケースで「労働者」と判断されることになるのではないでしょうか。そうなると、仕事を選べないタレントは選べるタレントよりも圧倒的に多い訳ですから、多くのプロダクションで労使トラブル、法的紛争が多発するリスクがあるということです。芸能界は人気商売ですから、タレントとの法的紛争はプロダクションにとって即、致命傷になる可能性もあります。そうなってしまう前に、今のうちにタレント(マネージャーらスタッフも)の働かせ方や待遇を見直し、 労務管理の体制を整え、紛争リスクを抑えましょう。

 

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