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テレビ等番組制作スタッフの労務管理

テレビの番組制作会社からご依頼をいただき(以前勤務していた会社ではありませんが)、会社と番組制作スタッフ(特にディレクターやAD)の業務委託契約の在り方や労務管理の問題点に関するセミナーを開催しました。

まず多くの番組制作会社では、ディレクターを自社で雇用するのではなく業務委託の形で仕事を委託する形をとっています。私のいた頃と違い、テレビ番組の制作は7、8割方の作業はパソコンでできてしまうので、ディレクターは会社にいる必要はないですし、制作過程でディレクターが誰かに指揮命令される訳ではないので、雇用するのではなく業務委託の形でも良さそうです。しかし、常にそれで良いかと言えばそうではなく、問題が生じるケースもあります。

例えば生放送のニュースの1コーナーの制作を担当するディレクターの場合、取材をして、持ち帰った映像を編集して、生放送中はV出しをして…となると、取材ではプロデューサーの指示を受け、生放送中の業務ではチーフディレクターの指示を受けることになります。そうすると実質的には雇用されており指揮命令関係があるのではないか?という風にも見えます。また、テレビ番組制作の現場では、複数の番組制作プロダクションからスタッフが来て、ディレクターやAD業務を担当しています。現場のトップは、彼らがそれぞれの会社でどのような形で雇用や業務委託契約を交わしているのかはっきり分かっていないケースもあります。その結果、業務委託の内容を超えた指示を出してしまうことも考えられます。他にも、例えば業務委託されたディレクターと派遣社員であるADの2人で災害の現場に取材に行く場合、ADの勤務時間は誰がどう管理するのか?危険な現場の場合ADの安全には誰がどう配慮するのか?などの労務管理上の問題が生じます。

セミナーでは上記のような問題につきスタッフと一緒に考え、問題意識を共有し、解説を行いました。改めて考えてみても、テレビ業界のスタッフの働き方というのは本当に特殊で複雑です。しかし、残念ながら法はそのような特殊な働き方を想定して作られていないので、多くの番組制作会社がスタッフの業務委託や雇用の整備に悩んでいるのが現状だと思います。元AD弁護士である私としては、このような問題の解決、勤務等の形態の整備にこそ私を使ってほしい考えておりますので、セミナーでも実際の勤務等の形態の整備のご相談でも、お気軽にお声掛けいただければと幸いです。

 

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