弁護士によるマンション管理Q&A⑩

最近ブログの更新がなかなかできていませんでしたが、久しぶりのこのコーナーです。

 

Q 3年くらい前に、ある区分所有者が他の区分所有者とゴミ出しの方法をめぐりトラブルになっていたため、管理組合の理事長が間に入り、その区分所有者を注意しました。そうしたところ、その区分所有者は、その一件がきっかけで、その後管理費を支払わなくなりました。理事長は、再三にわたり管理費を支払うよう説得を試みていますが、その区分所有者は支払いません。区分所有者の様子をみると、今後も支払をするとは考えられません。そこで、その区分所有者に対し裁判を起こし、これまでの滞納管理費に加え、将来発生する管理費についても請求できないでしょうか。

 

A 将来発生する管理費については、裁判の時点では発生しておらず、発生するかどうか未確定である以上、裁判では慎重に判断され、将来発生する管理費の請求が認められるのは、あらかじめ管理費支払の請求をする必要がある場合(民事訴訟法135条参照)に限られます。

過去の裁判例をみると、管理費の支払義務は継続的に月々確実に発生するものであることを大前提に、比較的小規模なマンションで1人が滞納を続けることで管理組合の運営や財政に重大な支障をきたすおそれが強く、滞納者が将来にわたって滞納を続ける意思が相当に強いと見受けられ、滞納者が将来においてもすぐに管理費を支払うことを期待できないような状況にある場合には、将来発生する管理費の支払請求が認められています。逆に、裁判でこれまでの管理費の支払請求が認められた後に、それでもなお将来にわたる管理費の支払を拒否しようという姿勢が見られないような事案では、将来発生する管理費については支払請求は認められていません。

本ケースでは、この区分所有者1人の滞納により管理組合の財政にどれだけ大きな影響を与えているのか、また、この区分所有者が将来にわたっても絶対に管理費を支払わないという意思をどれだけ強く持っているかにより、請求できるかどうかが決まると考えられます。

 

city-lawoffice.com