労務安全衛生協会講演②

神奈川労務安全衛生協会厚木支部の労務管理講座において特別講演を行いました。9月に平塚支部で公演させていただきましたが、今度は厚木支部です。講演のテーマは、やはり労使トラブルの事例紹介です。

紹介した事例の中に勝訴的和解(従業員の解雇無効確認訴訟において、解雇を有効としつつ、会社が従業員に対し解決金として給与1か月相当分を支払うという内容の和解)の案件があったのですが、講演後、何で勝訴間違いない事案なのに和解する必要があったのかと質問を受けました。

確かに、その事案は解決金を支払わなくても高い確率で解雇の有効性が認められるであろう事案でしたので、質問が出るのもごもっともです。しかし、訴訟の終了(判決)までには、和解の話が出てからさらに何度か期日を開かなくてはならず、期間にして3~6か月くらい余計に時間がかかってしまいます。仮に勝訴しても、従業員側が判決を不服として高等裁判所控訴すれば、また裁判が開かれます。また、裁判所が判決をするまでには、証人尋問・当事者尋問という手続を経るのが一般的であり、その場合には、会社の関係者、場合によっては社長ら役員が証言台に立たなくてはなりません。そうなると、尋問の準備も含め、関係者は相当な時間と労力をかけなくてはならなくなります。さらに、紛争が長引けば、それだけ社内で噂になり他の従業員に知れる可能性が高くなり、自分も真似して訴訟しようという者も出てくるおそれも出てきます。こういったことを考慮すると、少々の解決金を払っても和解してしまった方が会社にとってメリットがあったりするのです。

この講演は、今後も継続して行っていく予定ですので(次回は藤沢支部)、多くの経営者、法務担当者にお越しいただき、今回のようなご質問をいただけることを期待しております。

 

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