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弁護士によるマンション管理Q&A⑨

Q 新築分譲マンションの1室を購入したのですが、まだ全体の約1割の部屋が売れ残っています。売れ残った部屋はマンション販売会社が所有しているのですが、販売会社が所有している場合には管理費を支払わなくて良いとする規約があるため、管理費を徴収できません。このまま売れ残る状態が続けば管理費が不足してしまいます。管理費を徴収する方法はないでしょうか?

 

A このケースでは、本来区分所有者全員が持分に応じて負担しなけれならないはずの管理費を、販売会社が所有する場合だけは管理費を支払わなくて旨の規約が設けられています。

 この規約は他の区分所有者との公平性を欠くものですから規約自体が無効であるとして管理費の支払を求めるということも考えられるのですが、本ケースのような規約の有効性については法律の規定や判例はなく、直ちに規約が無効であるとは言い切れません。したがって、このように解釈の固まっていない現段階では、規約の無効を主張することは管理費の徴収にあたりベストな選択とは言えません。

 ベストな方法は規約の改正です。規約の改正には区分所有者と総会における議決権の各4分の3以上の多数の賛成が必要です。したがって、本件のように売れ残りが全体の約1割、残りの約9割には販売会社以外の区分所有者がいるというケースであれば、規約の改正により販売会社から売れ残った部屋の区分所有者が負担すべき管理費を徴収することができます。

 このように方法としては極めてシンプルなのですが、問題は各区分所有者が管理費の不足を危惧していないこと、また、そもそも販売会社は管理費を支払わなくてよいとする規約の存在すら知らないことです。将来的に管理費が足りなくなれば各区分所有者の管理費を増額しなければならなくなるので、自分たちが損をするだけです。このケースのように規約の存在を知り管理費の不足を危惧されている区分所有者の方は、総会の前に、理事会を通じて上記の内容を記した書面を出すなどして、各区分所有者に周知させることが重要です。

 

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