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弁護士の業際

先々週のことになりますが、行政書士会千葉支部で業際の問題について講演を行いました。

業際の問題というのは、行政書士司法書士社会保険労務士・税理士・弁護士といった各士業の業務の「際」、つまりその資格でどこまで業務をやれて、どこからやれなくなるのかという問題です。裁判所に代理人として出廷するのは弁護士(例外もありますが)、法務局で登記の申請を行うのは司法書士(弁護士もできますが)という風に、基本的に各士業ができることというのは法律等で決まっています。ところが、このような明確な線引きがなされていない分野もあります。そのような場合に業際が問題になるのです。

行政書士の場合、誰かを代理して法律の書面を作成することはできるのですが、その誰かと相手方との間で法的紛争が生じているような場合には、その誰かを代理することはできません。例えば、誰かの代理人として離婚協議書を作る場合、その相手方が慰謝料が安いといってその協議書の内容に納得しなかった場合には、慰謝料の金額の点で紛争があるといえるので、以後、行政書士が代理することはできなくなります。これは、弁護士法第72条によって、弁護士以外の者が紛争化している法律事件、法律事務を扱って報酬をもらうことが禁止されているからです。

これに対し、弁護士の場合、基本的には弁護士資格によって何でも行うことができ、もしもできないことがあっても弁護士は必要となれば無試験で司法書士、税理士、社労士、行政書士に登録できるため、業際の問題というものをほとんど考えたことがありません。

しかし、弁護士が何でもできるというのは、あくまで何でもできる資格があるという形式面だけの話です。実質的なスキルの面で見れば何でもできるなんてことは絶対にありません。我々の主戦場は裁判と、裁判の前提としての紛争案件の交渉です。主戦場でない非紛争案件で離婚公正証書を作ったり遺産分割協議書を作るのであれば、一般的に見て行政書士の方がスピードやフットワークの軽さ、費用などの点で上を行っているケースが多いと思います。行政機関への許認可の申請などでは、我々は行政書士の足元にも及びません。このように、我々弁護士にも、スキルの上では業際の問題が存在するのです。あまりこういったことは世間には知られておらず、弁護士は万能だと思っている人が多いように思います。しかし、実際には決して万能ではないのです。

このように行政書士には法律上の、弁護士にはスキルの面での業際の問題が存在するのだから、互いに上手く連携をとっていくことが必要です。行政書士と弁護士が上手く連携をとれば、互いの得意なスキルを生かし質の高いサービスを提供ができます。同時に、相手の持つスキルを盗むことができ

るので自分のスキルが上がります。連携をとることでクライアントに安心感を与えることができます。このように、弁護士と行政書士の連携は、互いに業際の問題をクリアできるだけでなく、良いことがたくさんあります。

我々はこのようなメリットを十分に理解しているため、以前から行政書士と相当に密な連携を築き業務に当たっていますので、安心してご相談にいらしてくださいね。 

 

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