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AD時代のこと②

ADが徹夜するメカニズムをお伝えしたいと思います(長いので何回かに分けて)。

例えば、深夜0時からのスポーツ番組の中で、前年不調だったJリーガー○○の、今シーズンにかける想いみたいな特集(オンエア時間は5分から7分くらいのもの)を組むとします。この場合のADの仕事を説明します。

工程①(素材(映像)集め)

オンエア前日の夜11時にディレクターからこの特集を2人で担当することを伝えられ、同時に「○○の特集用にアップとか、前年のダメなシーンとか、昔のいいシーンとか出しといて」と言われます(アップというのはウォーミングアップのことではなくて、顔や上半身がアップになった映像という意味です。)。この指示=今日は帰れないということになります。

指示を受けると、ADは映像ライブラリーという過去にそのテレビ局が流したり取材した映像が全て納められた場所に行き、○○の映像を片っ端から引っ張り出してきて、ブースにこもって過去の○○の映像をひたすら見続けます。そして、ゴールやアシストなどの良いシーンがあると、何月何日の何巻のテープの何時何分何秒から何秒までとノートに記録しておきます。アップの映像なども同様です。この作業、本当に地味で辛いんです。単純作業なようでそうでもなく、かといって創造性はない。そして映像を目で見ないと判断できないのでショートカットができないという。ゴールシーンなどを探すのは簡単なのですが、悔しがっているシーンや怒っているシーンを探すのは本当に難しいんです。平気で何時間もかかります。心が折れかかります。隣のブースに他の番組のADがいたりすると一緒に愚痴を言い合ったりしてましたね。深夜でお互いテンションが上がっているので盛り上がるんです。愚痴る元気すらなくブースで寝ているADなんかもいましたね。

映像を集めると、その映像を番組で使うにはどこの団体の許可が必要で、使うといくらかかるかを調べます。これも結構大変で、サッカーであれば、Jリーグなのか代表戦なのか、代表戦の中でも親善試合なのか大会なのかで全然違ってきます(ワールドカップやチャンピオンズリーグの映像は驚くほど高いのでそう簡単にはプロデューサーOKが出ません)。

使いたい映像を決めると、そのシーンが映ったテープを、映像ライブラリースタッフに別のテープに録音する作業をお願いします。録音する時間や費用がない場合にはテープを借ります。大量(100本以上の場合も)にテープを借りる場合、台車を使って持っていきます。台車の数、特に大きめの台車は数が少なく、他の番組と取り合いです。小さな台車しかない時には、編集室まで何往復もしなければなりません。

素材集めの工程は大体こんな感じです。この工程が終わるころには夜は明けていて、次の工程である取材の準備をします。

 

つづく

 

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